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とあるサイトさんでミランダさんが黒ずくめドレス着てるのを見て衝動的に。
黒って禁欲的で素敵!(そこか)暴きたくなるというか隠されてる部分への妄想が広がるというか....あぁごめんなさい邪まな目で見るのが申し訳なくなるほど素敵なイラストですバッスルスタイルのミランダさん見たのは初めてかも....でもこの上なく楽しい....。
そういうわけで(どういうわけだ)、ティキミラですよ。何度目かわからない、もしも二人が出会うのならこんなシチュエーションはどうでしょう、ですよ。
うん、間違いだらけなのはむしろ書いてる人間の頭の中だな(笑)
LessonA:出会ったその場でキスをする
「やってらんねぇ」
豪華な二人乗りの四輪箱馬車の中で、ティキは誰に向けてか知らないが毒づいた。
黒のフロックコートを着て群青のクラバットを首に巻き、黒い猫っ毛をきれいになでつけ飾り彫りの施されたステッキを手にした彼が何をしにいくのかといえば、女をたぶらかしにいくのだ。
「たぶらかすなんて人聞きの悪い。純粋無垢なデビューしたての淑女に優しく甘い夢を見せてあげるんだよ。だからね、いいかい、絶対悪さをしちゃいけないよ。キスくらいならまあ多目に見られないこともないけれど、それだって身分が高いお嬢様なら結婚相手にしか許さないものなんだから」
シェリルから耳にたこができるくらい言い聞かされたセリフを思い出し、ティキはその整った顔を歪めた。
本人自覚があまりないのだが、どうも自分は世の平均値以上の容姿をしているらしい。彼が生まれ育った環境でこの事実は大した価値を持たなかったのだが、ノアに目覚めてから出入りするようになった世界では随分と使い勝手のよい長所であるようだ。頻繁に今回のような仕事が回ってくる。
白のときは日雇い労働者として額に汗して働き、黒になったら要人暗殺、合間に社交界で愛想を振りまく....これはどう見ても働ぎすぎだ。
大体、男の顔がきれいだからって何の得がある。変態ヤローに目をつけられて尻を守るのに苦労した小さい頃をノアの家族は知っているのか。
ブツブツブツブツ、嫌みったらしく聞く者がいないと分かっているからこそ口にできるアレコレをぼやき続けていたティキの動きが止まった。
たくさんの人間が歩いているのを見るともなく見ていた。その人の流れの中に、女が一人、佇んでいた。
息が止まるかと思った。理由は分からない。ただ、その頼りなげな姿から目を離せずにいると、女がこちらを向いた。ティキと彼女の目が合った。
視界全てが赤く塗りつぶされた中、女の姿だけが白と黒で縁取られ鮮やかに彼の目の前に浮かび上がる。これは何だと自分に問うが、答えが返るはずもない。
とはいえこちらは馬車の中、夢のような光景はあっという間に遠ざかっていく。
ティキは馬車の天井を手にした杖で叩くと同時に扉を開けた。御者が慌てて手綱を引くのを横目に路地へとび降りる。かろうじて転がらなかったものの、それに近い格好で着地した。その勢いのまま今しがた通り過ぎた道を靴音高く急ぐ。
女はそこにいた。
ティキと目が合った時と寸分違わぬ格好で、息を荒げて戻ってきたティキをまたたき一つせずに見つめ返した。
黒い帽子と同じ色のドレスを身に着けていた。豊かに膨らんだ腰から続く裾は地面まで届かんばかりに靴を隠し、両手は手袋で覆われている。頭の先からつま先まで黒と白で覆われた中、唯一露出した顔は手袋と同じくらい白い。
すぐ近くまで歩み寄り女の手首をつかんだはいいが、さてこれからどうするか。
次の行動に思案をめぐらせていると、傍らへ止まった馬車が目に入った。御者席から転がり落ちてきたお仕着せの男が踏み台を用意しようとするのを押し止め、女を放り投げるようにして車内へと押し上げた。自分が乗りこむ前に、踏み台に手をかけ突っ立っている御者へキャメロットの名で長期契約を結んでいる部屋のあるホテルの名を告げる。
後ろ手で扉を閉め再び天井を叩いてから、クッションのきいた座席へ腰を下ろす。と、膝がぶつかって女の薄い肩が大きく跳ねた。
ピシリと馬に鞭を当てる音が聞こえ、小さな窓に切りとられた街の景色が流れていく。
正体の分からない焦りにずっと眉間に皺を寄せていたティキは、ここに至りようやっと小さく息をついた。女の手首は今も自分の手の中だ。
腰を浮かせ、座席の隅に縮こまっている女と向き合うよう体の位置を変える。広がったドレスの端を片膝で押さえつけながら、背を屈め覆いかぶさるようにして女の顔を覗きこんだ。白い肌、細い眉、こげ茶の瞳、薄い唇。顔の造りは上々だ。
何を考えているのだろう。
いきなり馬車に乗せられて見知らぬ男と二人きりでいるというのに、叫びもしない、逃げようともしない。ひたすらティキを見つめている。
手ぐすねひいて男を待ちかまえていた女に、まんまと引っかかったのだろうか。
これまでの人生で身に着けたなじみの懸念をティキはすぐさま否定する。その手の女でない。
きちんと結い上げられたこげ茶の髪。レースをあしらった丈高い襟に包まれた首。気休め程度に白粉のはたかれた肌。紅すらひかれていない唇。
男にしなだれかかって生きていてはこうはいかない。
加えるに、身にまとっている高価そうなドレス。
デザイン料で何十ポンド(注:1ポンド=約2万円で考えてます)とする類のものではない。布だけで百ポンドはする代物がウェストより下の部分にゆったりとしたドレープができるほどふんだんに使われている。遠目に黒と見えたその群青の布地は一面に銀粉を振りまいたようで、馬車が揺れるたびに上質な絹の光沢がきらめき銀の鱗を思わせる。
これだけとっても、そんじょそこらの小金持ちが手に入れられるものではない。
つかんでいた手首を離して、相手の体の線を確かめるよう左手を滑らせていく。
右手をなめらかな頬に押しあて、親指でその唇に触れた。すると、手袋をしたままの自分の指が目に入る。直接相手の肌に触れたい衝動に目がくらむが、外している時間が惜しい。手袋ごしに感じられる柔らかな唇の真ん中を少し押すと、白い歯が少しだけ覗いた。
吸い寄せられるようにして顔を近づける。
浅い息を吐く唇に触れる寸前、ようやっと女が小刻みに震えているのに気づく。
「いやか?」
いやだと泣かれようと止める気などないが、ティキは尋ねた。
「あなたが私にすることで、いやなことなんてひとつもありません」
初めて聞いた女の声に、聞く前から彼女がそう言うと知っていたように頷いて唇を押しあてた。一呼吸おいて、ゆっくり離れる。真正面から相対した女の目から涙があふれていた。
ドレスの裾へ伸ばしていた手を上げて女の両頬を包みこみ、ふたたび顔を寄せる。下唇を挟むようにキスすると、女の口が開く。
誘われるまま舌を差し入れ先程よりも深いキスを一心不乱に続けた。
そもそもこれが全ての間違いのもと。
意外とティキさん働き者。でもってティキさんの乗ってる馬車はクーペというのを想定。
この時代、大陸だと上流階級の平均初婚年齢が21前後、庶民は27前後ということで、ミランダさんもそれほど嫁き遅れじゃない気が。(あーでもこの年齢、男性の資料かな)
こういうの調べるのは楽しいv
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