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とある携帯サイトさんのSさんが「ラビミラなんちゃってバトン」をされてまして。
どのお答えも好きなのですが、その中の「ラビンダ的ABC」があまりに素敵だったので、即席お題と見立ててお話書いちゃおう、という次第。(もし問題ありましたらご連絡をお願いします)
ところで、船の中で既にラビ君ってばミランダさんの名前、呼んじゃってましたよ!
なので、時間軸を微妙に修正。Bもちっとだけ手直しました。お暇な方はご確認をどうぞ(笑)Aは…単行本8巻コムイの実験室あたりということで。(これは流石になぁ~)
以下、ラビンダ的C(挨拶をする)です。
C(挨拶をする)
「イテェっての、あんのクソじじい」
ブツブツと呟きながら、ラビは細い体を探して船内を歩く。殴られた後頭部がズキズキ痛む。彼の探し人が所有するイノセンスの力で体は常に最善の状態に戻る筈なのだが、痛みというのは面白い。殴られたことを認識すると、体以上に頭が痛みを記憶する。
先程いきなり師であるブックマンに殴り倒され、普段だったら一頻り文句を言っているのだが、今回はそれが難しい。
「わしらが今、江戸に向かえるのは誰のおかげだと思っておる。さっさと頭を下げて誤解を解いて来んか」
と殴り飛ばされた床から顔を上げるや叱りつけられたせいだ。何でも現在彼が探している人物が「ラビ君の気に障ることをしてしまった、すみません」と、涙に濡れた目でラビの師に向かって凄まじい勢いで謝罪を繰り返したのだという。
心当たりと言えば、数時間前のあれだろうか。通路でバッタリ(彼女が壁にぶつかるのに)出くわして、ヘラリと相手に笑いかけたはいいものの柔らかく笑い返されて、とっさに逃げ出してしまったという。
何だって逃げちまったかなぁ。
別に驚くようなことも、恐がるようなこともなかったのに。
頭を傾げる振りをしても、本当の原因は分かっている。中国で別れることになった年下のエクソシストの少年の存在だ。
正確に言うと、彼の不在。二年来の仲間である少女の不調。そして、彼の乗っているこの船が大海原を不自由なく航海できるようにしたエクソシストの能力。
うーん、と頭を悩ませながらも、探していた細い後姿をようやく見つけた。船の舳先に立って何やら船員から説明を受けている。
ホッと息を吐き近寄ろうとラビが見ていると、彼女は海面を覗き込もうと縁から身を乗り出した。
いや、違う。
船から落っこちかけているのだ。側に居合わせた船員が慌てて彼女の細い手首を掴んだが、どういうわけか大きな翼の海鳥が当の船員にぶつかってきた。驚いた拍子に掴んでいた細い手首が、船員の逞しく太い腕からすり抜ける。
考えている暇などない。
急いで駆け寄ったラビは、彼女に向けて目一杯手を伸ばした。
数分後、甲板に両手を付いて肩で息をしている女性の傍らで、ラビは甲板に仰向けに寝転がっていた。彼女を船の縁から引き上げた拍子に近くに積み上げられていたロープに足を取られて素っ転んだ結果だ。
彼女は自身を不幸体質だと言っていたが、それは周囲を巻き込むものなのだろうか。似たようなことが船に乗る前にもあったことを思い出して、ラビは知らず笑みを浮かべていた。
とりあえず。
「ミランダ、おはようさんさ」
本日、初めての挨拶なのだから、この言葉は間違っていないだろう。
トラブルあってのミランダさん!
あぁ、でも何だか、これはラビンダ的にどうなんだ…
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