忍者ブログ

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

TRICK AND TREAT(前)

いつも拍手ありがとうございます! 嬉しいです。

なのに、間があいてしまってすみません~。
おまけに、またもや話が途中で、しかも今回はラビミラ話なのにラビくん前編にでてこない……orz
加えて一ヶ月遅れのハロウィンのお話で……いやまあもういい(開き直った!)。

とにかくこんな感じですが(どんな感じだ)、よろしければ続きからどうぞ!



TRICK AND TREAT(前)


ハロウィーンの夜、黒の教団本部の食堂でのことだ。
入れ代わり立ち代わり菓子をねだる団員たちの訪れが一段落した頃、緑色のドレスと灰色のマントを身に着けた細身の女がジェリーの立つカウンターへと近づいてきた。
緑の女は恥ずかしそうに決まり文句を口にして、手のひらを差し出す。ジェリーは紫の薄紙で包まれた菓子を取り出し笑いかけた。

「ミランダ、遅かったのね。あんたのイタズラなら、どんなものか試してみたい気もするけど……はい、お菓子」
「ありがとうございます。中身を見てもいいですか?」
「えーえー、どうぞ。見るだけじゃなく、食べてみて」
「クルミ!」
「それ好きだったでしょう?」
「はい! わざわざ作ってくれたんですか?」
「わざわざって程のもんじゃないのよ、ホントに。何ならもう少し手の込んだお菓子でも……」
「いえ、これがいいです。」

ジェリーが戯れに伸ばした手から守るように、ミランダは慌てて菓子包みを抱え込む。そんな風にされれば作った方としても悪い気はしない。
とはいえ、大した菓子ではない。
軽く炒めたクルミに砂糖キビから精製した黒砂糖をまぶしただけのもの。それが彼女のお気に入りだ。

「一旦あげたものを取ったりしないわよ。落ち着いて食べてちょうだい。それはそうと、アンタの仮装は魔女モルガン?」
「……はい」

頷くまでに間があった。見逃すジェリーではない。

「もー! 何度言ったら分かるの。違うなら違うって言う! で違いを説明する! じゃないと誤解しちゃうわよ」

わざとらしくむくれてみせると、ミランダは楽しそうに笑った。

「実は私も詳しく知らないんです。だからモルガンに見えるならそれでいいかと思って。魔女という点では同じですし……えーと魔女なんですよね、この仮装」
「だから何の仮装なの。知らないのに答えられるわけないでしょ」

その場でクルリと回ったミランダの声が弾む。背中側は灰色のマントに隠れているものの、綿密に計算され体の線を引き立てるカッティングと同色の糸で施された繊細な刺繍。美しい衣装に浮かれる気持ちは、同性としてよく分かる。

「そうですね、すみません。これは……」
「室長を見なかったか!」

答えかけたミランダを鋭い声が遮った。

「リーバー?」
「リーバーさ……ん?」

正面から迎えたジェリーは不思議そうに、振り返ったミランダは尻すぼみに、新たな訪問客の名を呼んで見つめた。

「オオカミ男?」
「ですか?」

よくできた仮装だ。
眼光鋭く周囲を見渡しながら近づいてくる男の明るい髪の間から、同色の三角の耳がのぞいている。
だが珍しい。
多忙を極める科学班第一班長がお祭り騒ぎに付き合うとは。彼の上司ならともかく。
声に出さない疑問に気付いたのだろう、白衣を着たオオカミ男は頷いて見せた。

「あ? あー、そうそう。これは仮装だ。決して変な薬のせいなんかじゃないぞ。でだな。室長見なかったか?」
「そうねえ、食堂には来てなかったと思うわ。ミランダは?」
「ここに来る途中で会いましたよ。お菓子をねだられたので、私の持ってるチョコをあげて……そのお返しにとアメをくれまし……」
「オレが全部もらう」
「ええ?」

リーバーが素早くミランダの藤籠を奪い取った。

「あの室長が作ったもんなんか危ないに決まってるだろ。これはオレが責任もって捨てとくから! それで室長……」

ピクリとリーバーの髪に埋もれたオオカミの耳が動いた。

「あっちだな。邪魔した。もうないと思うが、次に室長に会うことがあったら縛り上げといてくれ」
「そんな! リーバーさん待ってください。私のクルミ……!」
「みぎゃ!」

身を翻して勢いよく走り出そうとしたリーバーの口から悲鳴があがった。

「……みぎゃ?」

ジェリーだけでなく、白衣の裾からとび出ていたオオカミの尻尾を握りこんだミランダも目を丸くする。
驚きにゆるんだ女の手を払いのけるようにして尻尾を取り戻したリーバーが、今度こそあっという間に走り去った。

「ちくしょー、今度こそあの巻き毛、重りつけて椅子に縛り付けて檻にとじこめてやる!!」

悲鳴のような叫びと女たちをその場に残して。





何となくミランダさんは木の実が好きそうなイメージ。どこかのサイトさんで、教団キャラを動物にたとえてたときにミランダさんがリスだったからかもしれない(笑) もちろん黒猫ミランダさんも好きです! むしろミランダさんに似てるなら動物でも植物でも静物でも何でも好きです(笑)

タイトルが全てというかオチが見えそうですが、後編もお付き合いいただければ幸い♪

PR

Copyright © 黒灰碧 : All rights reserved

「黒灰碧」に掲載されている文章・画像・その他すべての無断転載・無断掲載を禁止します。

TemplateDesign by KARMA7
忍者ブログ [PR]