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色鮮やかな世界(前)

ごぶさたしてます(出だしのあいさつからしておかしい)、残暑お見舞い申し上げます。
そして、更新ない間の拍手ありがとうございます!

今回はコムイさんとミランダさん。ここまで沢山のカップリング書いちゃうと、なきに等しい良心が疼く。ま、節操ないのは今更か~(笑)

リハビリがてらの短い雰囲気話ですが、よろしければどうぞ。

 
 
色鮮やかな世界(前)


辛く悲しい戦争が終わった。
勝者となった教団は、しかし多くのものを失った。団員の命、法王の後ろ盾、潤沢な予算、その他もろもろ。
その少ない予算をやりくりし、コムイは沢山の小さな墓を教団の敷地内に作らせた。

戦争終結後も黒の教団のトップを務める彼は、月に一度、可愛らしい花を抱えてこれらの墓を訪れる。小さな子どもが喜びそうなアメやチョコを携えている時もある。

一人静かに頭を垂れる彼の後ろ姿をミランダが見つけたのは、慣れた教団内でなぜか道に迷った時のこと。
他をよせつけない背中を前にして、ミランダはコムイが振り返るまで声をかけられずにいた。寂しげな黒い目と自分の目が合った時、あわてて謝りながらその場を離れようとして足をもつれさせ転んだミランダへ歩み寄り、コムイは困ったように笑いながら手を差し出した。
ためらいながらもその手に自分の手を重ねたとき、多分自分は心を決めたのだ、と後になってからミランダは思い出すことになる。

立ち上がって歩き出した後も、迷子になった小さな子どもにするようにミランダと手をつないだまま、コムイはポツリポツリとこの教団の昔の話を語った。昔といってもコムイが黒の教団の室長に就任する直前の話だから十年とたっていない。
教団が設立されたのが約百年前、それから九十年間、正義を理由に行われた非道の一端をミランダは初めて知らされた。

驚きは少なかった。

この地へ来て、普通の生活を送っていたら死ぬまで知らなかったであろう史料を手にしていた彼女には、もはや正と悪の天秤を仰ぐことすらためらわれる。
彼女が目の縁に涙を浮かべて口を引き結んで頷くのを、振り返らずに歩いて行くコムイが知る術はなかったはずだ。
だが、彼の話は人の少なくなった居住エリア、女性棟の入り口が視界に入るまで続いた。

「ミランダ、ここで大丈夫?」

足を止めたコムイはようやっとミランダを振り返った。
彼の背にぶつかりそうになったミランダは、慌てて周りを見回す。自分が再び道に迷わないよう案内してもらったことに、ようやく気づく。

「はい、大丈夫です。お手数おかけしました、ありがとうございます」

つながれたままの手を不思議に思いながら、深く頭を下げる。

「うん」

言葉と一緒に、ずっとつながれていた手を離された。支えを失った手は、パタリとミランダの体の横へと落ちる。

「じゃあね」

踵を返して向けられた高い背へ、ミランダは思わず手を伸ばす。指が服の裾をつかむ。

「?」

いぶかしげな視線を向けられたミランダは、一生懸命言葉をしぼり出した。

「あの、コムイさんはまたお墓参りに行きますか?」
「うん。月に一回は行くつもりだよ」
「じゃあ、その時は私も一緒に行っていいですか?」
「………うん。そうしてくれると嬉しい」

答えてもらうまでの長い間に、うつむきかけていたミランダは勢いよく顔を上げた。いつもと変わらない表情のコムイは、いつもと違って自分の服にかかったミランダの指に指を絡めて「約束ね」と笑った。
 




分かりづらいですが、話中の小さなお墓はイノセンスの適合実験で教団に殺された子どもたちのお墓です。原作でもそのうちお弔いしてお墓作ってくれないかなぁ。
中途半端なので、そのうち続きを書きたいと……このblogで途中のお話はどれもそう思ってるんですよ……。
コムミラの一番のアピールポイントは、リナリーちゃんとミランダさんが義理の姉妹になれることかと(笑) この場合はリバフェイ希望。(何でもかんでもカップリングする癖どうにかしなさい)


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